【昭和世代の親へ】「学校に行かない」とイラつく前に。令和の子育てと不登校の捉え方

こころ・精神医学

昭和50年代に生まれ、昭和から平成への転換期を過ごしてきた私たち親世代。現在、思春期を迎える子供を育てている中で、「どうして学校に行けないの?」と戸惑い、ついイライラしてしまうことはありませんか?

「学校には行くべきだ」という思いと、「行けない子供を責めるのは親のエゴかもしれない」という葛藤。その板挟みで苦しんでいる親御さんは、あなただけではありません。

この記事では、親世代が育った時代と令和の子供たちが生きる環境の違いを紐解きながら、親の心が少しでも休まる「これからの不登校の捉え方」についてお話しします。

昭和・平成の常識と、令和の子供たちの生きる世界

親である私たちが子供だった頃と、今の子供たちとでは、日常を取り巻く環境が根本的に異なります。この「前提の違い」を知ることが、心を軽くする第一歩です。

まずは、あなたの『昭和度』をサクッと診断してみませんか?

【昭和世代の親向け】令和の子供に「言っちゃいけない」チェックリスト
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「みんなと同じ」が正解だった私たちの時代

私たちが子供だった昭和後期から平成初期は、「学校に行って、いい会社に入る」という単線的なルートがまだ色濃く残っていた時代でした。

  • 多少嫌なことがあっても「我慢して学校に行くのが当たり前」
  • 学校というコミュニティが世界のほぼ全て
  • 情報源はテレビや雑誌などに限られていた

情報過多で「常に繋がる」令和の息苦しさ

一方、デジタルネイティブである令和の子供たちは、圧倒的な情報量と複雑な人間関係の中で生きています。

  • SNSにより、学校から帰っても人間関係が24時間続くプレッシャー
  • 多様な価値観に触れられる反面、「自分はどうすべきか」迷いやすい
  • 大人でさえ疲弊するような情報社会のストレスを、小さな心で受け止めている

環境がこれだけ違うのですから、私たちの時代の「当たり前」が、今の子供たちに通用しないのは当然のことなのです。

なぜ今、不登校がこれほど増えているのか?

文部科学省の調査でも、小中学校の不登校児童生徒数は年々過去最多を更新しています。私たちが子供の頃は、不登校(当時は登校拒否と呼ばれていました)はクラスに1人いるかいないかの珍しいことでしたが、今は全く違います。

なぜ、これほど増えているのでしょうか。

それは、子供たちが弱くなったからではありません。社会の構造が変わり、学校というシステムが「全員にフィットする場所」ではなくなったからです。

「学校に行かない」という選択は、心が限界を迎える前に自分自身を守るための**防衛本能(SOS)**であるケースが多くなっています。

今の子供たちは、「学校に行かないこと」で命や心を守っているのです。それを「甘え」や「逃げ」と片付けてしまうのは、あまりにも酷な社会環境だと言えます。

「学校に行ってほしい」とイラつくのは親のエゴ?

「学校に行かないことにイラついてしまうのは、親のエゴなのだろうか」 そう感じて悩んでいる親御さんは、非常に思慮深く、子供と真剣に向き合おうとしています。

結論から言えば、そのイライラの根本にあるのはエゴというよりも「親自身の不安と呪縛」です。

親自身が「我慢して学校に行くべき」という価値観の中で一生懸命生きてきたからこそ、そのレールから外れようとする我が子を見ると、心がざわつき、強い不安を覚えます。その「我が子を心配する愛情ゆえの不安」が、うまく処理できずに「イラ立ち」として表れてしまうのです。

「自分は我慢したのに、なぜこの子は我慢できないのか」という思いが頭をよぎったなら、「あぁ、自分はあの頃、すごく我慢して頑張っていたんだな」と、まずはご自身の過去の頑張りを認めてあげてください。

親が自分自身の「昭和の呪縛」を手放せたとき、子供へのイライラは自然と消えていきます。

親の心がスッと軽くなる3つの考え方

お子さんが学校に行けず悩んでいるとき、親御さんにぜひ知っておいてほしい3つの考え方があります。

  • 学校は「唯一の居場所」ではない 今はフリースクール、オンライン学習、通信制の学校など、学びの選択肢が爆発的に増えています。学校という一つの箱に合わなかっただけで、お子さんの未来が閉ざされるわけでは決してありません。
  • 休むことは「次へ進むためのエネルギー充電」 心が骨折している状態では、歩くことはできません。今はギプスを当てて、家という安全な基地でエネルギーを充電している期間です。充電が満タンになれば、子供は必ず自分の足で歩き出します。
  • 親御さん自身も自分を責めないこと 「私の育て方が悪かったのか」と自分を責める必要は一切ありません。あなたは今の時代特有の、とても難しい子育てのミッションに最前線で立ち向かっています。

最後に:子供の「今」を信じて見守る勇気

昭和から令和へ、時代がどれほど変わっても、親が子を想う気持ちの温かさは変わりません。

「学校に行かなくても、この子はきっと大丈夫」 親がそうやって腹を括り、どっしりと構えて笑顔でいてくれることが、子供にとって何よりの特効薬になります。

イライラしてしまっても大丈夫。悩んでしまっても大丈夫。どうかご自身のことも労わりながら、お子さんのペースを信じて、少しだけ肩の力を抜いてみませんか。

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